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3Dプリンタから4Dプリンタまで。デジタルファブリケーションについて調べてみた

暦本先生の授業を受けて、気になったので調べてみた。 まずは総務省サイトより引用。

デジタルファブリケーションとは、デジタルデータをもとに創造物を制作する技術のことである。3Dスキャナーや3D CADなどの測定機械により、自分のアイデアや個人の身体データ等をデジタルデータ化した上で、そのようなデジタルデータを3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機械で読み込んで造形する

総務省|平成28年版 情報通信白書|デジタルファブリケーション

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/image/n4103070.png

デジタルファブリケーションによるメリットは複数あるが、第一にはこれまでの製造技術では作製困難なものが作製できる点があげられる。加えて、個人レベルでの新しいものづくりが可能となり、これまでものをつくる行為に携わっていない人々のものづくりへの参画や、「Fab Lab(ファブラボ)」と呼ばれるデジタルファブリケーション機器が設置された施設を使うことで、組織に属さずとも高度な工作機器を使用した自由なものづくりが可能となり、新しいイノベーション、新しい経済、新しい働き方が生まれると期待されている。

  • 今まで作るのが難しかったものが作れる…(1)
  • 組織に属していなくてもものづくりができる…(2)

のがポイント。

(1)に関して彫刻家・名和晃平氏の作品がよく挙げられる。名和氏は作品制作に3Dプリンターを利用している。 http://sandwich-cpca.net/img/common/main-20.jpg

(2)に関して、「パーソナル・ファブリケーション」という考え方を紹介したい。

”パーソナル・ファブリケーション”は簡単に説明すると「ほぼなんでも(自分で)作ろう、ほぼなんでもプリントしよう」的な考え方。その活動は1998年からMITでスタートしていて、現在のテクノロジーによって開発された3Dプリンタや切削機など、3Dプリンティングの技術を駆使して自分が欲しいハードウェアは自分で作ろうという試みだ。その活動は1998年からMITでスタートしていて、現在のテクノロジーによって開発された3Dプリンタや切削機など、3Dプリンティングの技術を駆使して自分が欲しいハードウェアは自分で作ろうという試みだ。

CBCNET » なんでも自分たちで作ろう、パーソナル・ファブリケーションの実践 “Fabrication Laboratory” at DHUB, Barcelona

医療分野への応用

医療分野は、3Dプリンターが参入したことで技術開発がすさまじいスピードで進んだ分野である。人工物で作られるため、非常に良い状態で包装・輸送・保管が可能であり、発展途上国の医療も変えるとされている。

人口骨

欠損した骨を人口骨で補う技術も実用段階にある。ベンチャー企業NEXT21(東京都文京区)が東京大学のチームと共同開発した人工骨プリンター「CT-Bone」は骨の欠損部を0.1mm単位の高い精度で再現できる。人工骨は手術前に用意できる。そのため、これまで6~8時間かかっていた手術は2時間で済むようになり、施術中の患者の負担を大きく軽減できる。 さて、ここまで紹介した技術革新は医師の負担を軽減するなどの効果は見込むことができる。こぼれ落ちる命を救うこともあるだろう。だが、技術として見たとき、それだけでは“イノベーション”たりえない。実はCT-Boneが業界に与えた最大の衝撃は「人間の骨のように、元の骨にくっつき同化して骨代謝に取り込まれる」ことだった。「CT-Boneは移植後に骨代謝(こつたいしゃ)をします。骨代謝とは古い骨が新しい骨に生まれ変わる新陳代謝のこと。人は18か月のサイクルで全身の骨が入れ替わります。これまでの人工骨は焼成して作られた、瀬戸物のようなものでした。そうした人工骨を移植した患者は最終的に皮膚から異物として皮膚から露出してしまう。CT-Boneの素材は代謝循環に乗せられるので自分の骨になるのです。」

骨の元になる原料を固めたブロックを焼却して工作機械で削り出す方法で作られていた。それが、原料を積層しながら形成するプリンター技術なら焼かずに人工骨を作ることが可能になったのだ。プリント技術によってもたらされた利点は他にもある。

3Dプリンターは内部構造を再現できるため、骨髄が通る中空も再現することができます。人工骨に骨髄が流れることで自分の骨として定着。移植して半年後には骨代謝で自分の骨に変わっています。ちなみに人工骨の原料は2001年に独自に開発をしたリン酸カルシウムを再結晶化させたもの(Ca欠損ハイドロオキシアパタイト)です」このCa欠損ハイドロオキシアパタイトは人間の骨と同じ成分なので移植して患者自身の骨に一体化しやすい。

掲載元:(3Dプリンターで作る人工骨の技術革新。欠損した骨が再生可能に | ハーバービジネスオンライン)

義手

義手・義足など需要の限られた製品もプリント技術を使えば金型を作る必要がないため、今後低コストでの実用化が見込める。 従来、特に子供は、成長にともない、義手義足のまめな作成が必要であるため、大きな負担を強いられていた。

さらには、

 MITのHugh Herrをはじめとするイノベーターたちによって、駆動システム、内蔵センサー、関節の自然な動きを自動化する高度なアルゴリズム等を組み合わせた新しい技術が開発されている。人工装具の予測的動作によって、使用者は装置の制御について深く考える必要がなくなる。近いうちに、人工装具はさらに滑らかで自然な動きをするようになり、使用者は脳やタッチ入力システムによる直接操作によって装置を制御できるようになるだろう。

3Dプリントが可能にする誰もが義肢を設計する未来 | TechCrunch Japan

歯の矯正

自分で3Dプリンタで矯正マウスピースを作って格安で歯の矯正に成功した猛者もいるみたいだ。

メイカーズムーブメントと、オープンソースによる効果

デジタルファブリケーションの効用は、

  • 今まで作るのが難しかったものが作れる…(1)
  • 組織に属していなくてもものづくりができる…(2)

にとどまらない。3Dデータ共有サイト「Thingiverse」のようなプラットフォームによって、クリエータ同士の相乗効果が生まれる。

www.thingiverse.com

オープンソースハードウェア」の流れが生まれることで、ソフトウェアのオープンソースの世界で、firefox, mysql, linux, wordpress… といった素晴らしいプロダクトが生み出されたように、イノベーションが加速すると考えられる。

3Dプリンターマイクロコンピュータの登場により、個人でもIoTなどの製造が可能となってきた。この動きを「メイカーズムーブメント」という。個人が作ったプロダクトは、まるで写真を共有するかのように、オンラインのコミュニティで共有されている。 オープンソースハードウェアとは、ハードウェアの設計(3D CADデータ等)、エレクトロニクスの設計(基板上の部品配置、回路図)、ソフトウェアなどの情報を無償で公開することを指す。これらのデータと、3Dプリンターなどの製造機械があれば、製品を自分で作ることができる。さらに自分で変更を加えることもできる。

今から知っておきたい、注目のオープンハードウェア10選 | freshtrax | デザイン会社 btrax ブログ

なんと、3Dプリンタ3Dプリンタで製造するデータもシェアされている。

www.kickstarter.com

ハードウェアがプログラムできるということ — 4Dプリンタ

4D, と言われても戸惑うかもしれない。3Dプリンタのメリットを生かし、素材や電子回路の埋め込みによって、制作後の動きをデザインすることを4Dプリンティングと言うようだ。

vimeo.com

MITのスカイラー・ティビッツが米国時間26日に公開した新たな技術。水のなかで形状が変化していくひも状の物体。この技術の重要な点は、3Dプリンターをつかって制作された物体がその後、自己適応的に変形できるようになっているところだ。つまり、3Dプリンターの利用自体は創造プロセス全体の中間点に過ぎないということになる。「何かを設計して、それを3Dプリントすると、その物体は進化する。これは、物体に自然の知性を埋め込むようなものです」とティビッツ氏は話す。

電子の世界をリアルにするということ

3Dプリンタの行う、電子の世界をリアルにすることの凄さを伝えてくれるのが、MIT石井先生の研究グループである「Tangible Media Group」の以下の動画だ。

Tangible Media Group

リモートでりんごを動かしたり

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数式を立体的なグラフにしてくれたり

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物体を作り出しながら高さを調整したり

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数年後、プロダクトデザインはPCで設計図を書きながらするものではなく 会議室でワイワイしながら色を変え高さを変え完成品まで作ってしまうものになるのかもしれない。 ファストファッションブランドは設計図だけを売るようになるのかもしれない。